讃岐(さぬき)うどん専用の小麦・さぬきの夢2000(その2)
「讃岐(さぬき)うどん専用の小麦を開発してください」「はいやりましょう!」
とは、どこの世界でもなかなか進まないものです。
結局、香川県が讃岐(さぬき)うどん専用小麦の開発に取り掛かったのは、平成3年(1991年)のことでした。場所は香川県農業試験場。担当者はたった2名。しかも1人は新人研究員。
讃岐(さぬき)うどん専用小麦の開発は、いきなり前途多難の予感です。
さらに、小麦の花粉の交配作業で、2人とも重度の花粉症になってしまい、毎日毎日、涙を流しながらの作業となってしまいます。
涙を流しながらも、4000種類以上の品種候補を育て上げ、さらに数年間をかけて、より讃岐(さぬき)うどんに適した候補を絞るための選抜作業を繰り返していきました。
時は流れ、平成11年(1999年)、ついに最終候補を地元の製麺業者や讃岐(さぬき)うどん職人に披露することになりました。
一同、その馥郁たる風味に圧倒されたそうです。もし、この場に「美味しんぼ」の京極さんがいれば、
「あ、あんさん、なんちゅうもんを作らはったんや! これに比べたらオーストラリア産の小麦粉で打った讃岐(さぬき)うどんなんかカスや!」
とでも言ったかもしれません。ところが、